「あの広報さんはすごい!」最近、メディアの方の間で話題になる敏腕広報さんがいます。
そんなRevCommのPR担当、北村さんにテキストインタビュー形式でお話を伺いました。今回は後編です。前編はこちら
RevComm PR 北村直子 さん
「ホームランバッター」に憧れるも「バント型」でコツコツ露出
加藤:ご自身の広報スタイルをどのように捉えていますか?
北村:私の広報スタイルは、業界メディアとリレーションを築きコツコツと活動する「バント型」ですが、リレーションゼロからネタの力だけでテレビ番組にあたり、露出を獲得されるいわゆる「ホームランバッター」にも憧れています。実際に、そのような広報さんとお会いする機会がありました。企画力と、それを伝える文章力、特にタイトルや見出しだけで媒体を惹きつける力に、すごいな、と感服しました。見習わねばと思っています。
PRで大事なのは実は「媒体研究」。時間と頻度を決めて、優先順位を高くして取り組む
加藤:PR活動で北村さんが最も大切にしていることって何でしょうか?
北村:PR活動において、私が一番大切にしていることは媒体研究です。そのため、媒体が最大の先生だと考えています。幸いなことに私は徒歩圏(徒歩といっても30分ですが)に大きな図書館がある場所に住んでおり、新たな媒体や切り口を必要とする際は図書館に行くことが多いです。紙媒体を眺めて媒体の種類や時流の流れを確認し、自社に関連するトピックの個別記事については図書館にある日経テレコンや各社インターネット版でひたすら検索します。ベンチャー広報、1人広報だとこの時間を捻出するのが難しいのですが、時間と頻度を決めて、優先順位高く取り組むべきと自分に言い聞かせています。
加藤:媒体研究に力を入れているのですね。大事な活動と分かっていても「時間が取れないから」と後回しにしてしまう人も多そうです。このような活動も北村さんが支持される理由の1つなのでしょうね。
忙しい時期は、朝の時間を仕事のフォローアップに充てることも。「朝型生活」で仕事と趣味を両立させる
加藤:育児や介護、そしてご自身の趣味など、プライベートと仕事の両立に悩む広報担当の方が多いです。何か工夫されていることはありますか?
北村:子供はすでに大きいのですが、生後8か月、ゼロ歳児で保育園にお世話になることができ、そこからずっと働いています。土日は習い事の送迎や家事などで自分の時間がとれない中、仕事と家庭、趣味も両立できているのは、「朝型生活」をしていることが大きいです。
子供が小さかった頃は、保育園への「送り」を夫に任せ、その時間を使って平日朝6時から営業しているインドアゴルフスクールに通い、保育園の「お迎え」を私が担当した時期もあります。4時半から朝ランをしていた時期もありました。今は主に音楽系の趣味にいそしんでおり、早朝はサイレントピアノを弾いています。忙しい時期には、この朝の時間を仕事のフォローアップに充てることもできます。
忙しい時期には、早朝の時間を仕事のフォローアップに充てることもできるので、朝型生活のおかげで、仕事も、趣味も、続けることができていると思います。ちなみに夜はすぐ寝てしまいます。
加藤:なるほど、工夫して趣味の時間などを捻出されているのですね。ところで、御社では、PR会社と一緒に活動していますか?PR会社とどう動けばいいのかわからないという人も多いので、この辺りのご意見も伺いたいです。
PR会社の効果を最大化するには、目的の明確化と社内で共通認識を持つことが必須。属人化を防ぐ利点も
北村:現在は、PR会社と一緒に活動はしていません。しかし、スタートアップでも、一定程度の年数、規模になってきたら、属人化を防ぐという観点からPR会社と一緒に活動するのが理想だと考えています。
過去にPR会社とご一緒した際、自分の知見が足りないがゆえに活動効果を最大化できなかったことがありました。「PR会社に頼んでいるから自分は何もしなくていい」「勉強しなくていい」ということはなく、「なぜ依頼しているのか」「何のために依頼しているのか」を社内でよく議論し、共通認識を持ってPR会社と一緒に取り組めれば、効果を最大化できると考えています。特にベンチャー企業の場合、PR活動においても一定のROIが求められますが、自分なりに費用対効果の観点で定量的に整理しておくと、社内でも説明しやすいと思います。
加藤:確かにそうですね。丸投げしてしまうのではなく主体的に関わること、目標を定めておくことなど、企業側の体制も効果を出すのに重要なファクターですね。最後に、初心者広報さんへのメッセージをお願いします。
自分の得意分野をつなぎ合わせ、自分らしく取り組む
北村:私自身、「広報経験が少ない」ことをコンプレックスに抱えながらずっとやってきました。しかし、経験不足を引け目に感じる必要はなく、人とかかわってきた経験、社会人経験をベースに信頼関係を構築していくことが大切だと、いつも思っています。自分らしく取り組めばよいと考えています。だからといって勉強しなくてよい、ということではありません。
広報業務は非常に広範囲にわたるため、広報業務の中にも必ず得意不得意があると思います。悩んだときは業務を細かく作業レベルに棚卸してみてください。「これは自分にできる」「ここは得意」「ここは好き」と思える部分を一つでも多く見つけ、それらをつないでいくと、できることが増えていくと思います。
他社の広報の皆さんとご一緒できる機会を楽しみにしています。
加藤:北村さん、お忙しい中、ありがとうございました!
(聞き手:加藤恭子 編集協力:aoi_s)
当メディアでは読者のお知り合いのすごい広報さんにインタビューしたく、そのような方がいらっしゃいましたら是非お問い合わせフォームよりご紹介ください(取材を約束するものではございません)。